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東洋医学ホントのチカラ!

 

 

 先日、NHKで「東洋医学 ホントのチカラ ~科学で迫る 鍼灸・漢方薬・ヨガ」という番組が放送されましたね。

皆さんはご覧になりましたか?
私もどんな解説をしてくれるのか興味深々でみていましたが、
全体的に、東洋医学の範疇である、鍼灸(ツボ)・漢方薬・ヨガなどの効果を科学(西洋医学)的に解析してくれた
といった感じでしょうか。

東洋医学になじみがない方も、なんだか良さそうだということはわかっていただけたのではないでしょうか?

 せっかくなので、今日は東洋医学の歴史と西洋医学との違いについて触れてみたいと思います。

 そもそも東洋医学とは、何ぞやと言いますと、主にアジアの伝統医学のことを指し、
現代医学(西洋医学)に対比して使われます。

 私が学んでいる中医学(中国の伝統医学)だったり、広義ではアーユルヴェーダ(インド・スリランカの伝統医学)や、
古代ギリシャの医学を起源とし、アラビア・イスラム圏で発展したユナニ医学まで含みます。
 
ちなみに、この中医学、アーユルヴェーダ、ユナニ医学は世界3大伝統医学と言われています。
世界の伝統医学は、世界の古代文明の発祥地と、ほぼ一致していて、文明と共に育まれたそれこそ長い長い歴史があります。

 詳しくは、ネットで調べていただければと思いますが、、
アーユルヴェーダなんかも、日本ではオイルマッサージなどの美容法のイメージがありますが、立派な医学なんですよ。

 番組で取り上げていた、鍼灸や漢方薬は、中医学をもとに日本で発展した日本の伝統医学になります。
(中医学では、鍼はもっと太い鍼を使いますし、生薬(中医学では、中薬と言います)の種類も幅広くあり、もっと大量に使ったりします。)
 
7世紀初頭、遣隋使派遣に伴い中医学が伝わり、遣唐使廃止後は、日本の風土や民族性が反映され、日本独自の医療として発展しました。
 
それを、"漢方"と言っているわけですが、これは日本独自の言い方で、江戸時代にオランダ医学(西洋医学)が入ってきて"蘭方"と呼んだのに対して、それまでの医学を"漢方"と呼んで区別したものになります。

なので、中国に行って"漢方薬ください!"と言っても通じないので、あしからず(笑)

 続いて、西洋医学と東洋医学の違いに移りますが、
 西洋医学は、解剖学や生理学を中心に発達した医学で、科学的検査によって細胞・遺伝子レベルから病因を分析・特定し、ピンポイントの治療をします。
 
 一方、東洋医学は、身体を一つの単体としてとらえ、身体全体に形のない要素が流れているという考え方がベースにあり、
そのバランスが崩れると病気になるという発想で、身体全体の自然治癒力を高めるための治療をします。
 
 なんだか抽象的でわかりづらいですかね。
本当は、東洋医学の話をするときには、古代哲学の話から始めなくてはいけないのですが、
(これが東洋医学のメカニズムをなかなか科学的に解明できない理由でもあるのですが、、、)
話が難しくなりそうなので続きはまたの機会にさせていただくとして、、

 なにか分かりやすい例はないかと考えていて、ふと思いついたのがこれ。
話はだいぶ変わりますが、物事をみるときの「3つの目」の話をご存知でしょうか?

ビジネスで成功するために大切だと言われる3つの目。
どこかしらで一度は聞いたことがあるのではないかと思います。

●鳥の目
鳥のように、高いところから俯瞰して物事の状況を見てみる(マクロ視点)
●虫の目
虫のように、ターゲットを絞り、狭く深く物事の状況を見てみる(ミクロ視点)
●魚の目
魚のように、潮の流れを読む(トレンド)

東洋医学が「鳥の目」、西洋医学が「虫の目」のイメージに近いような気がします。
どちらが良い、悪いというより、どちらの視点も大事ですよね。

東洋医学と西洋医学もそんな関係になれたらいいなぁと思います。
今後のトレンドに乞うご期待ですね!