からだのしくみ① ~気血水

 

第5回は、「気・血・水」についてです。
いよいよ今回から、中医学の話に入っていきます。

中医学では、「気・血・水」は、人体を構成し、生命を維持する基本物質といわれ、バランスよく体内を巡ることで健康が保たれると考えます。

この「気・血・水」のバランスが崩れて、量が減ったり、増えたり、滞ったりすると、さまざまな不調がでてきます。

「気・血・水」のバランスがどう崩れると、どんな不調がでてくるか、見ていきましょう。

●「気」
”気”は、目に見えないエネルギーの源。

”気”が不足すると、元気がない、やる気が出ない、気力がない。。いわゆるエネルギー不足の状態。
→これを中医学では「気虚」といいます。

”気”が滞ると、なんだか憂鬱、ついつい食べ過ぎ、飲みすぎ、買い物し過ぎ(笑)。。いわゆるストレスが溜まっている状態。
→これを中医学では「気滞(気鬱)」といいます。

一方、気が充実していると、元気、やる気、活気がある。。いわゆる前向き人間完成!

あんまり充実し過ぎていると、怒りっぽかったり、逆上したり。。いわゆるエネルギーが有り余っている状態。
→これを中医学では「気逆」といいます。

●「血」
”血”は、ご存知の通り、血液のこと。必要な栄養や酸素を全身に供給し、潤す作用があります。

”血”が不足すると、疲労感、めまい、顔色が悪い、髪・肌・唇が乾燥する、手足がつる、もっと進むと貧血。。
→これを中医学では「血虚」といいます。

”血”が滞ると、肩凝り、頭痛、目の下のクマ、肝斑などの色素沈着、生理不順など。。
→これを中医学では「血瘀(けつお)」といいます。

いわゆる血液ドロドロの状態。
ちなみに、「血瘀」というのは状態のことで、鬱血している部分を「瘀血(おけつ)」といいます。
もっと進むと、動脈瘤だったり、婦人科系の内膜症や筋腫だったり、脳梗塞だったり。

しこりやかたまり、血管の詰まりなんかは、場所がどこにできるかは関係なく、中医学ではすべて「瘀血」と考えます。

●「水」
”水”は、血液以外の体内の水分(体液)。体をうるおすのに必要な水分(胃液、唾液、リンパ液、鼻水、尿、汗など)の総称です。
中医学では、「津液(しんえき)」とも呼ばれています。

”水”が不足すると、肌が乾燥してカサカサ、シワになりやすくなります。
→これを中医学では「津液不足」といいます。
 
”水”が滞ると、これはわかりますね。いわゆるむくみが発生します。
→これを中医学では「水滞」といいます。

”血”と同じような感じですが、、
「水滞」というのは状態のことで、水液代謝の障害によって作られた病理生成物は「痰飲」といいます。

一般に粘稠なものを「痰」、水っぽくてサラッとしたものを「飲」と呼びます。

鼻水とかで、風邪初期の”みずっぱな”は「飲」で、更にひどくなった状態は「痰」。
なんとなくイメージつくでしょうか?

中医学では、いわゆる吐き出す”痰”だけでなく、広義な意味でも”痰”という言葉を使うのがポイントです。

「気・血・水」のバランスがどう崩れているか、ご自分の不調な症状と照らし合わせて、なんとなくイメージできたでしょうか?

 中医学では、他にももう少し細かく分類されていますが、それはおいおいお伝えしていきますね。

まずは、ざっくり今回ご紹介したところを抑えていただければ充分かと思います。

次回は、「五臓六腑」です。
 

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