からだのしくみ③  ~経絡

 

第7回は、「経絡」についてです。

みなさん、「経絡」って聞いたことありますか?
「経絡」は聞いたことなくても、「ツボ」は聞いたことありますよね?

授業で習ったとき、専門用語オンパレードであっという間に時が過ぎ去ってしまったという印象で、ツボ単やらツボの語呂合わせやら本を買いあさって挫折した苦い経験があります。
 
これを改めてわかりやすく書くとなるとなかなか難しく、書いたところでそれを知ってどうするのというマニアックな感じなので、今回はあまり深入りするのはやめました(笑)
 
まずは最低限のことをなんとなくわかっていただければいいかと思います。
あとは専門家におまかせしましょう。。

「経絡」とは、いわば気血の通り道で、臓腑と体表とを結んだ、全身に分布するルートのこと。
 
身体を上下方向に流れる「経脈」と、網目のように上下左右に流れる「絡脈」からなります。

「経脈」はいわば幹線道路。
「絡脈」は経脈からわかれた道路、小道みたいなイメージです。

で、「経脈」は”正経(十二経脈)”と”奇経(八脈)”からなります。

この”正経十二経脈”は、五臓六腑(正確には、心包というものが加わり六臓六腑)に対応していたりします。

”奇経八脈”の方は、督脈、任脈、衝脈、帯脈他4つほどあります。

その経絡上に存在するのが「経穴」、みなさんご存知の「ツボ」になります。

WHOで認定されているのが、361個?左右対のツボ、単発のツボを合わせると、約700個もあるとか。
とても覚えられる数ではありませんね。

 「経穴」のような物理的な刺激を与えることで病気を治す皮膚上のポイントは、なにも中医学だけの話だけではありません。

アーユルベーダの”マルマ”だったり、タイ伝統医学の”ジュッ”だったり、解剖学でいう”トリガーポイント”だったり。

現代解剖学のアナトミートレイン(最近はやりの筋膜リリースなどはこちらの路線ですね。)を知ったときには、これ中医学の「経絡」とほぼ一緒じゃん。。。
まあ、人の身体ですからね。突き詰めると言っていることは一緒なんだと思います。
呼び名は違えど、すべて目的は一緒。

経絡や経穴へ刺激を与えることにより、気血のめぐりを整え、自然治癒力を引き出し、免疫力を向上させ、カラダの不調や疲労を回復させるのが目的になります。

日本では、その方法として、鍼灸、指圧、按摩、マッサージ、整体などがあります。

ちなみに、東洋医学系で日本で唯一国家資格になっているのが、鍼灸師。中国伝統の鍼灸とは微妙に違うようですが。。

中医学では、鍼灸、吸い玉(カッピング)、推拿(すいな)、、、

他にも、アーユルベーダのアビヤンガ、リンパドレナージュ、リフレクソロジーなど。

こちらは聞いたことがある方もいるかもしれません。

自分でできる運動としては、インドのヨガだったり、中国の気功や太極拳だったり。

"ささない鍼”や”火を使わないお灸”など、最近はいろいろ便利グッズも出ているので、ちょっとした不調だったら、専門家に頼らずとも自分でメンテナンスできるようになります。

その話は今度またしますね。

「からだのしくみ」がわかったところで、次回からは、「病気の原因」に入っていきます。