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ポルトガル旅行記④  ~バターリャ/シントラ/ロカ岬編

 

滞在5日目。

ファティマから約30分、バターリャへ。

7.バターリャ(@ポルトガル)
ポルトガル語で「戦い」を意味する地、バターリャ。修道院の周りにお土産物屋やレストランがあるだけのこじんまりした街。

 

●バターリャ修道院
正式名は、「勝利の聖母マリア修道院」。
14世紀の終わり、王位を狙って攻め入ってきたカスティーリャ軍をジョアン1世率いるポルトガル軍が打ち破った。

スペインに対してポルトガルの独立を守る、まさに歴史に残る戦い。戦勝祈願した聖母マリアに感謝を捧げるため、ジョアン1世が建立したもの。
ゴシック・マヌエル様式の傑作として、世界遺産にも登録されている。

修道院のある広場で、まず最初に目につくのが、地元の英雄ヌーノ・アルヴァレス・ペレイラの騎馬像。

 

若いジョアン1世のもと、全軍を指揮した司令官がアルヴァレス。彼自身も若干25歳という若さで歴史に残る戦いをやってのけた、まさに英雄。


●教会
修道院の南側に位置する教会は、奥行き約80m、高さ約32mとポルトガルでも最大規模。シンプルなのに美しい空間が広がっています。
何気に今回の旅で一番気に入ったのは、この教会です!

 

教会に入ってすぐ右側にある、創設者の礼拝堂。
中央には、ジョアン1世と王妃の棺、周りには、エンリケ王子をはじめ4人の王子が眠る。

ステンドグラスに太陽の光が反射して何とも幻想的な雰囲気。

ちなみに、このステンドグラスは、15世紀半ばにドイツ人の芸術家が持ち込んだ最古のもので、ポルトガルで最初にステンドグラスを備えた教会とのこと。

うっとりするような美しさです。

 

●ジョアン1世の回廊
14世紀の終わりに建設が始まり16世紀はじめに完成。

初代建築家アフォンソ・ドミンゲスによって造られたゴシック様式の簡素な回廊に、約1世紀後リスボンのジェロニモス修道院を手がけたボイタックがマヌエル様式の装飾を施し、見事な調和を生み出している。

レース細工のように繊細な狭間飾り見惚れてしまいます。

 

●未完の礼拝堂
屋根のない青空礼拝堂。ウソです(笑)

ジョアン1世の息子ドゥアルテ1世により建設が始まり、没後はマヌエル1世に引き継がれて約1世紀ほど工事が続けられたが、結局未完に終わった。

理由は、設計上のミスという説と、ジェロニモス修道院の建設のため、建築家がリスボンにいってしまったからという二つの説があるらしい。

昼は青空、夜は星空が広がる。
個人的にはこれはこれで芸術な気がしますが。。
 
  
●サルディーニャス・アサーダス(イワシの塩焼き)
サラダ、じゃがいも、イワシの塩焼き。
まんまです。でも、ほっとするお味。
トマトのスープも美味しかったです。

デザートは、パステル・デ・ナタ(エッグタルト)。
ポルトガルではかなりポピュラーなお菓子。


バターリャから約2時間、シントラへ。

 

8.シントラ(@ポルトガル)
夏の避暑地として王侯貴族に愛され、イギリスの詩人バイロンが「エデンの園」と呼んだ美しい街。こちらも世界遺産です。

●王宮
13世紀末ムーア人が残した建物をディニス王が居城とし、14世紀にはジョアン1世が増改築を行った。

その後もマヌエル1世の時代に増築が行われ、ムデハル、ゴシック、マヌエル、ルネッサンスなど多彩な建築様式が見られる。

カササギの間、紋章の広間、白鳥の広間など。イスラム教のモスクとキリスト教の礼拝堂の融合も珍しいですよね。

シントラから約30分、ロカ岬へ。

  

●カボ・ダ・ロカ(ロカ岬)
ユーラシア大陸の西の果て。北緯38度47分、西経9度30分。

高さ140mの断崖の上に、ポルトガルの詩人カモンイスが詠んだ、詩の一節を刻んだ石碑がたっている。

「ここに地果て、海始まる」

人ごと飛ばされそうな暴風で写真だけとって早々に退散。

それにしても、このひたすら海が広がる大西洋の先に新大陸があるなんて、はじめに思いついた人はすごいですね。

ロカ岬から約1時間、リスボンへ。

 

 

●カルデイラーダ(ポルトガル風ブイヤベース)
 夕食は、ポルトガル風ブイヤベース。
 魚介類と野菜をトマトソースで煮込んだもの。

 トマトベースではありますが、そこまでトマトトマトしていないのがポルトガル料理の特徴でしょうか。

 デザートには、ケーキとプリンのダブルパンチ。

夕食後は、今回の旅行のメインイベント、ファド鑑賞へ。

本当は最終日夜のオプションで申し込んでいたのですが、何と人数が足りず不催行。諦めきれずに、同じく申し込んでいたもう一組の方々と決行することに!

夕食をとったお店でタクシーを呼んでもらい、目星をつけたお店にいざ直行。なかなかタクシーが捕まらず、到着したのは20時45分頃。

 

●老舗のファドレストラン、「ア・セヴェーラ」
店名は19世紀最高といわれるファドシンガー、マリア・レヴェーラに由来。格式高そうなこのお店、ダメもとで聞いてみたら、運良く予約なしで入れました。ファド開始の21時頃には満席。ほんとラッキーでした!
食事はすんでいたので、ミニマムチャージ30ユーロ。
お酒と乾きもののおつまみが出てきます。

ポルトガルの民族歌謡、ファド。
リスボンのアルファマ地区など、下町に住んでいた社会の底辺にいる貧しい人たちが親しむ大衆的な音楽。

情熱的なスペインのフラメンコに対して、哀愁漂うと表現されているので、もっと暗い感じなのかと思っていましたが、そんなことはありませんでした。

スペインのフラメンコの要素、アフリカ大陸の音楽の要素などいろいろな要素が混ざりあった音楽という印象を受けました。といっても、アフリカの音楽もほとんど聴いたことないので、あくまでイメージです。

このファドのショーは、どこのお店も夜中の2時くらいまでエンドレスでやっているのですが、お店でタクシーを呼んでもらい、結局23時くらいに引き上げてきました。

 

これから盛り上がるであろう雰囲気の中、ちょっと残念でしたが、翌日の観光もあるのでやむなしですね。

 

今度きたときは、ゆっくりファドディナーも楽しみたいなぁと思います。

 

いよいよ最終日。ポルトガルの首都、『リスボン観光』へ続く。。