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瞑想リトリート in 長野

 

先月、4日間の瞑想リトリートに参加してきました!
自然の中でリフレッシュしたくて、毎年夏に訪れている長野の飯綱高原にある「水輪」。
(ごめんなさい。「水輪」の紹介もしなくてはと思いつつ、いまだ書けてません。。)
 
今年は気功合宿に参加しようと密かに計画していたのですが、あいにくスケジュールが合わず、水輪さんから送られてくるパンフレットの中で、たまたま目にとまったこの企画。
 
 
この瞑想リトリートを主導してくださった、Dr.バリー・カーズィン氏は、医師であり、チベット仏教の僧侶。ダライ・ラマ法王14世の担当医もされているお方。
 
そういえば、最近忙しすぎて、瞑想すること自体を忘れていた、、、

この水輪という絶好の場所で、瞑想だけでなく、貴重なご講話も聞け、まさに今の私にぴったりの経験となりました。。

私の理解を超えるものも多々あったのですが、Dr.バリー氏のメッセージもお借りしつつ、シェアしたいと思います。

🔴ご講話より
★瞑想の目的とは?
まず心が幸せであるよう、心を訓練する。
更には、多くの人の助けになるために、能力を高める。
究極は、悟りですが、ここでは割愛します。

★瞑想を習慣にすると、変化に気づきやすくなる。
自分の心の兆候に気づく(=マインドフルネス)
あまりに近くにありすぎて気づかない。
メガネしたまま、メガネどこと探しているような。。

★怒りについて
現実を知らないこと(無知)が一番の問題。
無知からトラブルが生まれる。
これには、知恵が必要。
知恵があれば、初期の段階で気づける。
つまり、気づくことが大事。

具体的に、3つの方法を教えていただきました。
例えは違いましたが、どれも聞いたことあるような。。
私が普段実践しているのは1つめの方法に近かったような。。

最近は、「アンガーマネージメント」なんていうのも流行ってますね。
テクニックと言うより、この知恵を知っているか、否かで怒りに対する対処がかなり違う気がします。

★心について
仏教には八識というのがあり、、と以前のブログに書きましたが、またまだ続きがありました。
 関連記事:がんと心の関係①
 関連記事:がんと心の関係②

◇心王(六つの第一次的な心)
 眼・耳・鼻・舌・身(五識)、意識までは一緒ですが、

6.意識   (顕在意識)       
7.末那識  (潜在意識) 
 「粗い」 ・・・概念的
 「微細な」・・・非概念的
 「最も微細な」・・・ 〃
8.阿頼耶識
 「最も微細な」・・・非概念的かつ非二元的
 
7.末那識の中で、更に3つに分かれていて、「粗い」→「微細な」→「最も微細な」。
 それぞれ、「粗い」は、例えば”リンゴ”といって頭に浮かぶ概念的な意識。
 「微細な」は、”夢”、「最も微細な」は、"直観”のような非概念的な意識。
8.阿頼耶識は、悟りで目指す”光明”の意識。

◇心所(五十一の第二次的な心(個別の心の作用))
上の八識が動く時には、常に働いている5つの心理作用の「五遍行(受・想・思・作意・触)」と
必ずポジティブかネガティブどちらかの残り46の心理作用があるそうです。

人の心理作用について、何と51に分類されているなんて、ビックリです。
続きは、ちゃんと理解できた?ところで書きたいと思います。
その頃には悟りが開けているかもしれません(笑)

★潜在意識へのアプローチ
自分で自覚できない意識は仕方ないのかと思っていましたが、そうでもないようです。 
瞑想によって表層に浮き上がらせることができるとのこと。

★慈悲とは?
苦しみを減らそうと願い、行動すること。

◇仏教での3つの苦しみ
1.心身の痛み、苦しみ
2.変化の苦しみ
3.すべてに遍在する苦しみ
  無知。無明。現実を知らない。実体があると思っている。不変であると思っている。

◇慈悲を育む方法の一つ
・我々は一つの大きな家族であり、自分の体は自分のものではない。
・付き合いづらい人も輪廻転生で、どこかの時点で自分の母親であった。
・違いに焦点を当てがちだが、皆幸せになることを望んでいる。
 
★死には8つの段階がある
通常、4段階目でご臨終。(肉体的な死)
身体の機能はとまっても、まだ死ではない。精神的な死まで意識は続いている。
8つめの段階(最後の段階)・・・光明
⇒修行僧などは、この光明の段階を目指して修行しているそう。

実は、光明までの間の5~7段階目が気になってしまい質問すると、それは明日答えると。
翌日の講義でも一向に答えが出てくる気配がなく、再度確認してしまったくらいだったのですが、のちのち思いがけない結果が返ってきたのでした。。
 
🔴瞑想体験より
比較的ライトな瞑想からディープな瞑想へ。
こんなにいろいろな瞑想法があるとは知りませんでした。
順を追ってご紹介していきたいと思います。

(1)シャマタ(一点集中)瞑想
~外界に心が乱されなくするための瞑想。うつ病の再発予防にも効果があるそう。

①呼吸に集中
★9ラウンドの呼吸の瞑想
瞑想前の準備のための瞑想。簡単ですが、あっという間に呼吸が整います。
 
★呼吸に集中する瞑想
 
⇒以前、私が座禅で体験した「数息観」やアナパナ瞑想はこの部類に入ります。

②心に描くものに集中(ブッタ、キリスト、観音様など)
⇒空海が広めた「阿字観瞑想」はこの部類に入ります。

③心に集中(何にも集中しない)
★心の本質の瞑想
何かの対象がなければ、心は存在しない。
何にも執着しないと、すべての五官、意識が大きく開く。

泥水が入ったコップを何もしないで置いておくと、やがて透明な水が現れるように。。
⇒マインドフルネス瞑想、座禅などはこの部類に入ります。

(2)歩く瞑想
⇒じっとしているのが苦手な方は、歩く瞑想というのもあります。

(3)分析的瞑想
~トピックを選んで、感じるところまで考える瞑想。
●優しさを広げる瞑想
⇒瞑想というより、ワークに近かったですが、いろいろな人に親しみがわく。優しさに気づく瞑想でした。
 
(4)慈悲の瞑想
●トンレン瞑想
~自分の幸せを他者に与え(トン)、他者の苦しみを自分が引き受ける(レン)瞑想。
⇒これは、結構難しかったです。
   
(5)ヴィパッサナー瞑想
シャマタ瞑想と対で出てくる、ヴィパッサナー瞑想。
これは、今回のリトリートではやりませんでしたが、最近周りでやっている話をよく耳にするので、質問してみました。

普段瞑想をしない人が、このヴィパッサナー瞑想だけやって効果はあるのか?

答えは、ヴィパッサナー瞑想だけやってもあまり効果はでないとのこと。
やはり、シャマタ瞑想で集中する心を養ったうえで、ヴィパッサナー瞑想をする方が効果は大きいとのこと。

(6)死の瞑想
 最終日前日の夕食後、スペシャル瞑想がありますと予告。
何日か前にした質問がこんな形で返ってくるとは、私にとって今回のリトリート一番のギフトでした。
通常はあまりやらない瞑想なのだそう。。

誘導にしたがって、死の8つの段階のビジョンを体験し、生まれ変わるという体験をしました。

 自分にとっては、知りたい内容ではあり、死は割合身近なものであるけれど、普通に瞑想しに来てた人には衝撃的だったのでは、、と内心複雑な思いでしたが、

翌日、日頃死と向き合っている医師の方がご自身の体験に基づいて、この死の瞑想がとても良かったという話をシェアされていました。
 
一方、その感想を聞いた別の方が実はその瞑想中意識が飛んでしまい記憶にない。だから、もう一度やりたいと言われていて。。
 
人それぞれ必要な情報は届くべきタイミングで届くんだなと思いました。
 
 ちなみに、チベットでは、これから亡くなる人に読む「死者の章」というものがあるそうです。
それによって、未知の死への恐怖をなくせたり、死が来た時に気づけるそうです。

日本の終末医療もまだまだこれからですが、死への恐怖を少しでも和らげるこんなアプローチもあっていいのではないかと思いました。

 最後は少しだけ重い話になってしまいましたが、皆さんが知っている瞑想は出てきましたか?
瞑想は、マラソンと一緒で、普段ろくに走っていない人がいきなり長距離走れるわけではありません。

毎日少しずつ練習が必要です。←自分にも言い聞かせている(笑)

そして、心という一番難しい部分を扱う「瞑想」を我流でやるというのは個人的にはお勧めしません。

習い事と一緒で、上達するには、ちゃんとした師(マスター)につくことが大事だと思います。

次回のDr.バリー氏の来日は9月のようです。
ご興味ある方は、是非参加されてみてはいかがでしょうか?