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「睡眠負債」抱えていませんか?

 

朝晩はいくぶん涼しくなってきましたが、まだまだ蒸し暑い日が続いていますね。
みなさん、夜はぐっすり眠れていますか?

「睡眠負債」なんていう言葉も近頃耳にしますが、わかっちゃいるけどやめられない。
生活習慣を変えるのは案外難しいですよね。

かくゆう私は、持病のアトピーが悪化して、ついに3日程会社を休んでしまいました。
アトピーで会社休むの?という感じですが、長引く梅雨で首から始まったアトピーがついに顔面に広がり爆発。

アトピーをここまで悪化させた原因は、種々のストレスももちろんありますが、一番の理由は、とにかく痒くて夜眠れないこと。

寝た方がいいのはわかっているので、早めに布団に入っても、結局朝まで一睡もできず夜が明けていくなんて日も。。

そんな生活の無理がたたってか、強制的に休まざる状況に追い込まれたという感じです。

不眠は、はじめの原因はともあれ、3ヶ月超えると慢性化すると言われています。
今は生活のリズムを取り戻すべく、生活スタイルを抜本的に見直し中。

というわけで、今回は”理想の生活リズム”について書こうと思います。

中医学では、生活リズムの理想形を示した、『子午流柱(しごるちゅう)』というものがあります。

「子午」は、一日24時間を12等分し十二地支に対応させていて、「流注」は人体の12の臓腑(六臓六腑)の気血運行の流れを意味したもの。

↓臓腑って何だっけ、、、という方はこちら。

つまり、『子午流注』は、”どの時間帯に、どの臓腑の働きが盛んで、気血の状態がどうなっているか”一日24時間の臓腑気血の運行リズムを現したものになります。

 


一つ一つ見ていきましょう。

1.寅の刻(3時~5時) 肺経が旺盛な時間帯
 早朝の3時から5時にあたる臓腑は、肺です。

肺は呼吸を司り、肝から推し出された新鮮な血を肺気の力で全身に供給します。

この時間帯は、清浄で新鮮な空気の中で呼吸することが肺を養うのに適しています。

逆に、この時間帯に喫煙すると他の時よりもいっそう肺の機能を落とすので注意が必要です。

⇒窓を開けて新鮮な空気を入れて深呼吸したり、屋外で軽い運動したり、空間や体内の空気を入れ替えましょう!

2.卯の刻(5時~7時) 大腸経が旺盛な時間帯
 朝の5時から7時にあたる臓腑は、大腸です。

肺経から大腸経に流れ込んだエネルギーが大腸を活発にさせます。

前日に食べたものの栄養と水分の吸収が終わり、残渣を便として排出します。

この時間帯にしっかり排便できると、腸内環境や皮膚の状態にも良いと考えられます。

⇒もしも便秘や皮膚炎などのトラブルがあれば、早起きしてコップ1杯の水をのんで余裕を持って排便する習慣をつけましょう!

3.辰の刻(7時~9時) 胃経が旺盛な時間帯
 朝の7時から9時にあたる臓腑は、胃です。

胃経に気血が集中し食物の消化が最も盛んになるため、この時間帯に食事すると消化・吸収がスムーズに行われます。

逆に、この時間に食事をとらないと、胃酸によって胃が傷ついてしまうため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のリスクが高まるといわれています。

⇒諸説ありますが、朝食はとった方が良さそうですね!

もし胃の調子が良くないときは、朝食は消化の良いものにして胃経の経穴(ツボ)を押すと胃を回復させることができます。

4.巳の刻(9時~11時) 脾経が旺盛な時間帯
 朝の9時から11時にあたる臓腑は、脾です。

脾は消化、吸収、排泄すべてをコントロールし、気血を生み出す源であり、胃の消化を助けつつ、吸収したものを全身に巡らせます。

⇒適度な運動により新陳代謝が増すのでダイエットするには最適といわれています!

5.午の刻(11時~13時)心経が旺盛な時間帯
 11時〜13時にあたる臓腑は、心です。

この時間帯は、陽に向かう午前の時間から、陰に向かう午後の時間への転換点です。

この時間帯は激しい運動を避けてゆったりと落ち着いて過ごしましょう。

⇒15〜30分程度のお昼寝が心を守るには効果絶大です。この休息が午後からの活力のもとになります。
 
6.未の刻(13時~15時)小腸経が旺盛な時間帯
 13時から15時にあたる臓腑は、小腸です。

小腸は脾のコントロールのもと、胃から送られてきた消化物の消化を進め、水分や栄養の吸収を行い、必要な栄養素は脾へ、余分な水分や消化物は腎や大腸へと送り出します。

⇒激しい運動をし過ぎないで小腸にしっかりと消化栄養の吸収をさせましょう。

太りたい人は特にこの時にゆったりと過ごすことが大切です。

7.申の刻(15時~17時)膀胱経が旺盛な時間帯
 15時から17時にあたる臓腑は、膀胱です。

膀胱には腎のコントロールのもとで尿をためておく働きがあり、排尿も腎がコントロールしています。

1日を通して得た水分の余分な量を排出するため、この時間帯は特に我慢せずトイレに行きましょう。

⇒膀胱経の気は経絡に沿って大脳に伸びているため、この時間帯に勉強や読書をすると効率が上がるそうです。

8.酉の刻(17時~19時)腎経が旺盛な時間帯
 17時から19時にあたる臓腑は、腎です。

腎は生命力の源である精を貯蔵しています。精には両親から受け継ぐ先天の精と、飲食物から得る後天の精があります。

この時間はそうした精(生命活動のエネルギー)が腎へ入り貯蔵されるので、腎を養う薬や食物を摂るのに最適です。

⇒この時間に精を消耗するような生活をしていると、体調を崩しやすくなりますので気をつけましょう!

9.戌の刻(19時~21時) 心包経が旺盛な時間帯
 19時から21時にあたる臓腑は、心包です。

心包は心臓の外周にあり気血を通しながら外邪の進入を防ぎ常に心臓が最適な状態であるよう守っています。

中医学独特の概念であり、実在はしないけど機能のみが存在する臓腑になります。

⇒ウォーキングやストレッチなど軽い運動をすると心臓の機能を高めることができます。

10.亥の刻(21~23時) 三焦経が旺盛な時間帯
 21時から23時にあたる臓腑は、三焦です。

三焦(上焦・中焦・下焦)は六腑の中で最大の腑で気血を全身くまなく運んでいます。

三焦も心包と同様、実在はしないけど機能は存在する臓腑になります。

⇒全身の百脈を充分休ませ養うために、ゆったりと過ごし、睡眠に入る準備を整えましょう。

11.子の刻(23~1時) 胆経が旺盛な時間帯
 23時から深夜の1時にあたる臓腑は、胆です。

胆は消化に直接関わる胆汁を生成、貯蔵、排泄しており、この時間になると、胆汁の新陳代謝が盛んになります。

翌日の消化を助ける意味でも、胆をしっかりと休めて胆汁を新鮮なものにしておく必要があります。

この時間は陰気がもっとも盛んで人体の気血陰陽の転換点ですので、しっかりと体を休め、陽を高める準備をしましょう。

⇒この時間帯に眠りにつくと翌朝の目覚めがよく頭もスッキリです。

 逆に、長期にわたりこの時に入眠していないと、肝炎、胆嚢炎、胆石などを発症する可能性があるので注意しましょう。

12.丑の刻(1~3時) 肝経が旺盛な時間帯
 深夜1時から3時にあたる臓腑は、肝です。

肝は、人の思考や活動を支える血液の貯蔵庫で、血液の分配をコントロールしています。

この時間帯に全身五臓六腑の血が肝に集中し、肝の解毒と修復がされ、全身を巡った古い血と新しい血が入れ替えられます。

もしここで起きて活動しているなら血は肝に帰ることができず、ずっと諸経をめぐっていることになり新鮮な血が生み出されません。長期間このような生活が続くとあらゆる病気を引き起こす原因になります。

⇒この時間帯にしっかりと睡眠をとり、肝や血を養うことが重要です。

 夜更かしをして遊んだり、パソコンやテレビ、スマホを見て目を酷使していると、血の消耗が激しくなります。

以上、いかがでしたか?
どれもなるほどと思うことばかりですね。

ちなみに、この子牛流注は、中国最古の医学書「黄帝内経」という書物にかかれているのですが、なんと編纂されたのは紀元前。
なかなか説得力がありますよね。

改めて書いてみると、私も改善すべき生活習慣がいろいろ見えてきました。
23時からのゴールデンタイムに寝れないのは、思った以上に深刻な問題ですね。
 
「睡眠負債」を抱えている方も、いない方も
この子牛流注を参考に、生活リズムを見直してみてはいかがでしょうか?