古代中国哲学② ~整体観念

 

第2回は、『整体観念』です。

「整体観念」って、いったいナニ?
なんだかわかりそうでわからない。。

あのポキポキやる整体を思い浮かべた方も多いかと思いますが、その"整体"とはちょっと違います。
哲学の世界って、なんだか小難しい言葉を使いますよね。でも、この考え方は割合イメージしやすいのかなと思います。
 
 「整体観念」とは、ざっくりいうと、個々のものが関連し合って、”全体で一つ”であるという考え方。

人体をひとつの単元としてみた場合、人体は臓器、組織、器官などから構成されていて、それぞれ異なる機能を持っている。

これらの一つ一つは個々として存在しているのではなく、全てが密接に関連し、協調しあって成り立っている。

 ちょっと視野を広げてみると、、、
人間は自然界という環境の中で生活している。なので、自然界の様々な現象を無視しての生活は存在しえない。

言葉を変えると、自然も人間も宇宙という単元の中のひとつであって、密接な関係をもって、それぞれが存在しあっている。

大自然と人間を”宇宙”ととらえ、
人体もおなじく”小宇宙”としてとらえる。

このことを、古代中国哲学では『天人合一』思想というのですが、西洋哲学でも同じような思想があります。

マクロコスモス(大宇宙、大自然)
ミクロコスモス(小宇宙、人体)
 
こちらの方がちょっとは馴染みがある言葉かもしれませんね。ほぼ同じ概念になります。

 何を意味しているかというと、自然界で起こる様々な現象は、同じく人体にも起こりうる。逆もまた真なり。

昨今の大自然における"異常気象"や"自然災害”だったり、人体における”自律神経の失調”や”免疫異常による病気”など。

あながち関連性がないとは言い切れないのでは?と思うのは私だけでしょうか?

 ちなみに、中医学では、人体をひとつの整体(全体が一つとなって切り離せないもの)としてとらえ、”個々の臓腑器官の発病は、必ず全体に波及する”という考え方のもと、人体のバランスを整えていきます。
 
次回は、『陰陽学説』についてです。