病気の原因①  ~外因(六邪)

 

いよいよ新しい時代「令和」の幕開けですね。
諸説ありますが、ゼロリセットしたのち美しく調和のとれた世界が訪れますように。。

前回まで、からだのしくみを見てきましたが、今回からは病気の原因を見ていきます。

皆さん、ズバリ病気になる原因はなんだと思いますか?

何らかのウイルス?  細菌??
いや、やっぱり日頃の生活習慣やストレス?

中医学では、気血水、臓腑、経絡の働きを妨げる病因を「外因」、「内因」、「不内外因」の3つに分類しています。

第8回は、そのうち『外因』についてです。

人間も自然界の一部として存在していて、互いに関連し、影響し合っているという話を以前しましたが、私達人間の活動が自然界に影響を及ぼしているように、四季の移り変わりや気候の変化も我々の健康に様々な影響を与えています。

 
 
 中医学では五行学説に則った"五季"の気候とあと一つ"熱(火)"を加えた6つの気候変化は「六気」と呼ばれ、本来万物を生長させるのに必要なもので、人体に無害なものであると考えられています。

しかし、昨今の異常な気候変化や急激な気候変化などにより、人体の抵抗力がないと、この「六気」が発病の原因となることがあります。

この人体に影響を与える気候変化のことを『六邪(六淫)』(ろくいん、りくいん)と呼びます。
順番に見ていきましょう。

 

●風邪(ふうじゃ)
春との関連が強いものの、年間を通して現れ、その季節特有の邪気を伴って人体へ影響を及ぼします。"よく動く"性質があり、めまぐるしい病気の変化が特徴です。

風は、百病の長とも言われ、寒、湿、燥、熱とともに発病させる、外邪の先駆者。

代表的な風邪の不調は、皆さんもよくご存の通り、”風邪(カゼ)“です。
 
●暑邪(しょじゃ)
夏との関連が強く、"発熱する"性質があり、熱で体の潤いや津液(体液)を消耗させます。その反動で水分を過剰にとってしまい、体内の水分バランスを崩してしまいがちです。

代表的な暑邪の不調は、”夏バテ”や”熱中症”などがあります。

●湿邪(しつじゃ)
長夏との関連が強く、湿度も気温も高くジメッとした時期に現れます。
(長夏は、中国では夏と秋が入れ替わる時期。日本では梅雨がそれにあたります。)

陰(水)の性質があり、粘着質で身体の動きを鈍らせ、"重く下降する"性質があるため、身体の下部に影響が出ることが多いです。また脾は湿度を嫌うため、胃腸のトラブルも多くなります。

代表的な湿邪の不調は、いわゆる”重だるさ”、”むくみ”や”軟便”、”食欲不振”などがあります。
 
●燥邪(そうじゃ)
秋との関連が強く、"潤いを奪う"性質があり、体の津液(体液)を消耗しやすく、呼吸器や皮膚など外部環境に直に接する器官を痛めやすくなります。
 
バリア機能や免疫力の低下等に影響がでることが多くなります。
 
代表的な燥邪の不調は、”空咳”や”乾燥肌”などがあります。

●寒邪(かんじゃ)
冬との関連が強く、陰(寒)の性質があり、体の陽(温)を損ないやすく、外邪の侵入を防ぐ働きや新陳代謝の低下が現れやすくなります。
 
”冷やす”性質があるため、体を凝結・収縮しやすく血行不良の原因となり、冷えだけでなく、凝りや痛みを誘引します。
 
代表的な寒邪の不調は、”疼痛”や”筋肉のひきつれ”、”下痢”、”腹痛”などがあります。
 
●熱邪(ねつじゃ)または火邪(かじゃ)
暑邪が長期間にわたり体内に鬱積すると、火の性質に変化し、熱邪や火邪になることがあります。

暑邪と同じく、”炎上”する性質があり、体の上部に影響を与えやすいのが特徴です。

代表的な熱邪(火邪)の不調は、"鼻血"、"オデキ"、"腫れ物"、"焦燥感"などがあります。
 
 
以上、六邪を見てきましたが、何となくイメージつきましたでしょうか?

ご自身の体質によって、六邪の影響度合いは変わってきます。

毎年決まって不調になる季節はありませんか?

その時期に強くなる邪気の性質を身体の中に持っていると、体のバランスを崩しやすくなります。

そのことを知っているだけでも、気分的に少しは過ごしやすくなると思いませんか?

季節折々の過ごし方はまた追々お伝えしていきますね。

次回は、『内因』についてです。