病気の原因③  ~不内外因

第10回は、中医で考えられる病気の原因の3つ目、『不内外因』です。

『不内外因』って、、、何だか難しそうな響きですが、なんのことはない。「内因」にも「外因」にも属さない疾病の原因のことです。

皆さんご存知のものばかりと思いますが、一通り見ていきましょう。

〇飲食の不摂生

”You are what you eat."なんていう英語のことわざ、聞いたことありますか?

そうです。私たちの身体は、自分が食べたものでできているのです!

①飲食の過不足
 中医学でも、食べ物(水穀)は、身体に必要な気血水をつくるモトと考えます。
 
 過度のダイエットなどで、食事量が減ると、この気・血・水が不足して様々な病が生じることになります。

 一方、暴飲暴食すると、飲食物が体内に停滞し、消化することができなくなる。
 こちらも気・血・水が滞り、様々な病が生じることになります。
 
 昔からよく言われていることですが、「よく噛んで食べ、腹八分目でやめる」がやはり健康の基本ではないでしょうか?

②偏食
 食べ物のえり好み。
 いくら好きだからといって同じものを食べ続ける、嫌いだからといって一切食べない。

嗜好の問題なのでなかなか難しいですが、健康を維持する上ではなるべく偏りなく食べるのが望ましいということになります。 

③不潔な飲食
④飢餓
 これらは、現代の日本ではほぼないですが、世界的に見ればまだまだですね。

〇老倦(ろうけん)

 中医学では、気・血・水は、人体を構成し、生命を維持する基本物質と考えられていますが、基本的に生きていれば、日々これらの物質を消費しています。

①過労(肉体、頭脳)
 消費されたこれらの物質は、食事や休憩・睡眠などによって生産されたり回復したりして、さらなる生命活動が可能となるわけです。

ところが、消費が過剰になると、当然のように生産が間に合わなくなる。この状態が過労です。

②怠惰、運動不足
 過労が働き過ぎなのに対して、怠惰は働かな過ぎのこと。

適当な期間、休憩を取ったりするのはいいのですが、長期に渡って運動不足や怠惰な生活を送っていると、気血水の停滞が起こり、やはり様々な病が生じることになります。

③房事過多
 精の消費は気の消耗につながるため、こちらも健康を損ねる原因になります。

精は気血のもとになる大切なもので腎という臓にしまわれています。つまり、精が消費されるということは腎精を消耗すること。老化の早まりにもつながります。

〇外傷

 切り傷、打ち身、捻挫、火傷、凍傷、昆虫や動物による咬まれた傷など。


以上、病気の原因を見てきましたが、どれも納得なことばかり。

それにしても、何千年前から、人はそう変わっていないということですね(笑)

何事もほどほどに。今回もバランスが大事という話でした!