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転職時の手続き ~確定拠出年金の移管

 

転職が決まって、今まで勤めていた会社を退職するまでの間、短期間で実に色々な手続きをしなくてはいけないのですが、

一番ドキドキしたのがこの確定拠出年金の移管です。

 

資格喪失日翌月から6ヶ月以内に手続が必要。
しかも手続きに2ヶ月くらいかかる。
仮に、手続が完了しなかった場合、
資産が自動的に売却・現金化され、
国民年金基金連合会に移管されてしまいます。

 

運用できなくなるわ、
税制メリットはなくなるわ、
手数料はかかるわ、
おまけに、60歳以降の受取時に
iDeco(個人型確定拠出年金)に移管する必要あり。

 

そうです!手続し忘れると結構面倒くさいことになるんです。。

 

退職する会社の人には今現在関係ない手続きだから誰もわからないし、
会社によって制度はまちまちなので、他の会社の人の話は参考にならないし。。

 

というわけで、今回は実際に移管をしてみた体験談をまじえて、
企業年金制度について書いてみようと思います。


まずは、ざっくり年金制度について。
年金制度は、大きく「公的年金」と「私的年金」の2つに分かれます。

 

「公的年金」は、皆さんご存じの通り、
国民年金や厚生年金(会社員)、共済年金(公務員)のように加入が義務付けられている年金制度のこと。

 

一方、「私的年金」とは、将来のお金の不安を取り除くために、任意で加入する年金制度のこと。

 

この私的年金は運用主体によって、さらに2つに分けられます。
企業や基金が資金運用する場合には「企業年金」、個人が運用する場合には「個人年金」と呼ばれます。

 

「企業年金」は会社によってまちまちですが、確定給付年金、確定拠出年金(企業型)、厚生年金基金など。

 

一方、「個人年金」は、完全に個人で運用するしないの話になりますが、
iDeco(確定拠出年金(個人型))、個人年金保険、財形年金貯蓄などがあります。

 

で、今回関係してくるのは、このうちの「企業年金」。

 

「確定給付年金」と「確定拠出年金」

 

なんだか似たような感じで紛らわしいのですが、この2つの違いわかりますか?

 

「確定給付年金」は、企業が必要となる掛金を拠出し、運用する。
そのため、社員が将来受け取る額は保証されています。
運用の失敗や不足時の責任も企業が負い、補填してくれます。
でも、会社が倒産したときはこの限りではありませんが、、、

 

この確定給付年金が、DB(Defined Benefit plan)と呼ばれるのは、
このようにあらかじめ受給(Benefit)が確定している(Defined)から。

 

それに対して、「確定拠出年金」は毎月の社員に対する掛金(拠出額)が確定しているだけで、
受取額は社員各自の運用によって変わってくるというものになります。

 

この確定拠出年金が、DC(Defined Contribution Plan)と呼ばれるのは、
あらかじめ拠出(Contoribution)が確定している(Defined)から。

 

つまり、この2つの違いは、
確定しているものが
加入者側の給付額(もらえる金額)であるか、
企業側の拠出額(払う金額)であるか
という違いになります。

 

まあ、こればっかりは会社の方針なのでどうにもなりませんが、

 

自分で運用するのが面倒くさくて会社に全ておまかせしたい人は、「確定給付年金」の方がありがたいだろうし、
自分でどんどん運用して資産を増やしたいという人は、「確定拠出年金」の方がありがたいということになります。

 

会社に勤めている期間って、結構長いですからね。。

 

ざっくりのつもりでしたが、案外長くなってしまいましたね。
深堀りし出すときりがないので、制度の説明はこの辺で辞めておくとして、
実際の移管までの手続きの流れを見ていきましょう!

 

結論から言うと、心配するには及びませんでした。
自分から動かなくても、ちゃんと手続きしてね~というハガキが手続き完了するまで、
何度も何度も来るので、流れにのっていけば心配ないかなという感じです。

 

まず、
退職する会社と転職先の会社の制度を確認。

 

ケース1:
「確定拠出年金」→「確定拠出年金」

 

⇒転職先で手続きが可能(一番楽なケース!)

 

ケース2:
「確定拠出年金」→「確定給付年金」

 

⇒規約で移管可能な定めがある場合は、転職先で手続きが可能(かなりレアケース!)

 

ケース3:
「確定拠出年金」→「確定拠出年金(個人型)」

 

⇒転職先が「確定給付年金」で移管が認められていない場合、その他「確定拠出年金」の加入者にならない(フリーランス、公務員、学生、無職等の)場合は、「確定拠出年金(個人型)」いわゆるiDecoへの加入手続きが必要になります。(ちょっと面倒!)
           
私の場合は、(ケース3)だったので、以降(ケース3)のスケジュール感を書きます。

 

 

(1) 退職日        (3/31)

 

(2) 加入者資格喪失日   (4/1)  
 ⇒資格喪失日は退職日の翌日になります。
  ※手続期限は、資格喪失日の翌月から
   6ヶ月以内(〆10/31)
 
 ①運用会社を決める    (5/4~)
 ②運用会社へ申込書類請求 (5/17~)
 ③申込書類作成      (5/25~)

 

(3)「加入者資格喪失のお知らせ」
  ハガキ受取(作成日:6/4)
 ⇒このハガキに移管に必要な情報が書いてあるので、このハガキが届くまでは実質手続きには入れません。。

 

 ④勤務先へ証明書記入依頼 (6/9~)
 ⑤運用会社へ必要書類を返送(6/18)

 

(4)「個人型年金移管完了通知書」
  ハガキ受取(作成日:8/17)

 

3末退職で自然体で手続きして、完了したのが8月と約5か月はかかっていますので、
忙しい方はついうっかり忘れないよう気をつけた方がいいかもしれませんね。

 

※慌てないために、自分でやる①~③のiDeco加入手続きを余裕持って準備しておくことをお勧めします。


少々長くなってしまったので、
続きはまた次回へ。
移管後の「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の話をしようと思います。